野尻抱介blog

尻Pこと野尻抱介のblogです

野兎を圧力鍋で煮て骨と肉とスープに分けた


 道で拾った野兎シリーズの続き。皮を剥いで腿肉と背肉を取り出した残りは土に埋めて骨だけにしようと思っていた。だが試してみると圧力鍋にぎりぎり入ったので、1時間ほど煮込んでみた。いい匂いがして、塩と胡椒をぶちこめば最高のスープになりそうなものができた。

 取り出して肉、臓器、骨に分ける。
 哺乳類は手首・足首の骨が複雑で、ジグソーパズルのように小骨が集まっている。各足ごとに分けておいたが、組み立てる自信はない。

 頭骨と脳。頭骨の鼻のあたりは消えていた。車に轢かれたときに損傷したらしい。
 脳は、鳥に較べるとなかなか立派なものだ。




 この白っぽいタラコみたいなものは舌。牛タンのような味がするのだろうか……? 

 取り分けがだいたい終わったところ。右上は食べられそうな肉で、スープに戻して食べようと思っている。
 主食が別にあるとして、野兎一頭で一週間ぐらいは食べて行けそうな感じだ。毛皮や骨も使い道があるから、捨てるところはごく少ない。獣肉に関して、私たちが普段買うのは肉と一部の臓器ぐらいだが、残りはどこへ行くのだろう?


 ロードキルの野生動物を採集することは各地で行われていて、盛口満の本がおすすめだ。「骨の学校―ぼくらの骨格標本のつくり方」「僕らが死体を拾うわけ 僕と僕らの博物誌」など。
 大阪市立自然史博物館では なにわホネホネ団 というサークルも活動している。
 なぜ死体を拾うなんて気持ち悪いことをするかといえば、これと狩猟以外では、無許可で野生動物を入手する方法がないからだ。駆除や研究目的の捕獲は許可が必要になる。日本に野生する鳥獣は約630種(モグラ・ネズミ類、海棲哺乳類を除く)あるが、狩猟鳥獣はそのうち49種しかない。残りは死体を拾うしかないわけだ。