野尻抱介blog

尻Pこと野尻抱介のblogです

猟期が始まった


 三重県では11月15日から翌年2月15日までが狩猟期間、いわゆる猟期になる。この期間なら免許や許可の有無にかかわらず、鳥獣法に定められた範囲で狩猟鳥獣の捕獲ができる。
 15日は猟銃等講習だったから、16日から、今季もスリングショット猟を始めた。……が、なかなか勘が戻らず、弾がそれたり、撃つ前に飛び立たれてばかり。

 19日になって、ようやく初猟果が出た。細い川に数羽で群れていたカルガモを20mほどの距離まで忍び寄って撃った。胴体に当たり、他の鴨といっしょに舞い上がったが、30mほど先でその一羽だけ着水した。


 小走りに近づくと、手負いの鴨は力を振り絞ってまた飛び、着水した。それを三回くらい繰り返して、いったん見失ったが、堤防と砂州の間にうずくまっているのを見つけた。(写真左)
 鳥は表情を作れないから、苦しんでいるのがわからない。ただ動きが鈍ったり、不自由になるだけだ。
 もう逃げる力は残ってなさそうだったが、止め撃ちをしてから近づいた。頸動脈を切ってみたが、血は流れなかった。肛門からフックを差し込んで腸を抜く。抜いた腸はペーパータオルに包み、鴨とともにレジ袋に入れて持ち帰った。体重は1148g。寸法は……写真に写っている、開いたナイフの長さが17cm。

 20日、別の川に出猟した。土手道に鳥の羽根が散らばっていた。猫にでも襲われたのだろう。
 樋門のそばにカルガモの群れがいた。死角から忍び寄り、15mほどの距離で側頭部に命中させた。
 急所に当てたと思ったが、カルガモは50mほど飛び、よたよたと岸に登って灌木の陰にうずくまった。

 近づいて止め撃ちすると、鴨は川に落ちた。15mほど下流しじみをすくっていたおじさんに声をかけ、岸に投げてもらった。
「パチンコで撃ったぁ? うまいことやったなあ」と笑われた。
 まだ生きていたので頸動脈を切って血を抜いた。それから腸を抜いた。

 21日は警察に教習資格認定申請の書類を提出してから山に入り、鹿や猪のフィールドサインを探した。
 タブノキの樹皮が剥ぎ取られている。犯人は誰だろう? Twitterでは鹿説が有力だった。

 腹ぺこで下山して、最初に仕留めたカルガモをさばいた。鉄板で焼いて大根おろしをまぶし、御狩場焼きにした。
 脂は少ないが肉汁たっぷりで、野趣あふれる味わいだった。

 二羽めのカルガモは、一羽目のガラで取ったスープを使って鴨鍋にした。つゆを一口飲むと、ずしんとくる旨味が脳天を貫いた。幸楽苑のラーメンスープのように濃厚だが、調味料は醤油を少し垂らしただけだ。
 肉はスーパーの鶏肉のように軟らかくない。だが噛むほどに強い味わいがしみ出す。

 今日は用事のついでに川に寄ってみた。うまいぐあいにコガモの群れに10mほどまで接近できた。弾は首を貫通して出血し、すぐに息絶えた。
 コガモは成鳥でも小さいが、美味な鳥だ。これは明日、ソテーでいただこう。猟期になって、連日うまいものを食べている。スーパーで買った食材はネギと大根だけだ。