野尻抱介blog

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ファミマ一部店舗で「南極点のピアピア動画」販売開始


 早川書房営業部が頑張ってくれて、ファミリーマート一部店舗で「南極点のピアピア動画」を置いてもらえることになった。現在ファミマでは 初音ミク de 桜ノ歌のキャンペーン を展開していて、それに便乗した形だ。
 左のような特製オビがついているので、既読の方も記念にぜひどうぞ。Amazonなどの通販では買えないものだ。
 なぜファミマかといえば、小説の舞台のひとつがコンビニ・チェーン「ハミングマート」、通称「ハミマ」で、あからさまにファミマをもじっているからだ。 ただし、これで小説がファミマ公認になったわけではない。キャンペーンに合わせて、書籍売り場にちょっと仕入れてもらった形のようだ。

「ハミングマート二本木店」は、うちから16kmほどのところにあるファミリーマート白山二本木店がモデルだ。青山高原名張、奈良方面に行く途中によく利用する。なので、この店には特別に10冊仕入れてもらっている。売れ残ることのないよう、近くにお住まいの方はぜひ馳せ参じていただきたい。
 左は今日の偵察で撮った写真で、桜の歌キャンペーンのバナーを掲げている。小説に描写したとおり、周囲は田んぼで駐車場が広く、長距離トラックも停められる。

 左は2009年11月、「コンビニエンスなピアピア動画」の取材で撮った同店だ。小説のヒントになった電撃殺虫器の位置はいまと変わらないが、当時はその下に煙草の自販機があった。
 玄関脇の扇風機は当時も今も健在だ。夏になると夥しい昆虫が集まるので、それを吹き飛ばすためにある。

 これは【第10回MMD杯本選】その旅立ちとピアピア動画 の一場面で、奇しくもファミリーマートがモデルになっている。また一歩、現実が小説に近づいたようで胸熱だ。
 そこで「動画は早川書房ファミリーマートの仕込みだった! 商業の罠だ!」などと陰謀論が立ち上がったら嬉しいのだが、ネットを検索してもそんなことを言うひとは一人もいなかった。カゲロウプロジェクトぐらいスーパーヒットを飛ばさないと、陰謀論など立ってくれないのだった。陰謀論者は、陰謀は常に成功すると信じているからだ。

 桜の歌キャンペーンの商品も、もちろん買い込んだ。小説でも描いたが、コンビニの展開力は実に強大で、ネットとリアル、ビットとアトムの橋渡しをしてくれる。
 一夜にして全国にボカロ商品が出回るのは、商業の罠だろうがなんだろうが胸熱だから、喜んでバイラル・マーケティングに加担するわけだった。「初音千本桜 梅じゃこごはん弁当」は早春の香りとさっぱりした味わいでコンセプトが活きており、おすすめだ。