野尻抱介blog

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狩猟免許試験の講習会に行ってきた


 スリングショット猟で狩猟の面白さ・奥深さを知ったので、免許を取って法定猟法をやってみることにした。
 取得をめざしているのは、わな猟と第一種銃猟免許である。銃猟をするためにはこれと別に猟銃の所持許可が要る。所持許可の取得は面倒で期間もかなりかかるという。他県では普通2か月ぐらいで取れるが、我が三重県は半年から1年半もかかる場合があるという。
 私は銃猟をするかどうか、まだ決めていないので、所持許可の手続きも始めていない。銃は狩猟に使うには性能が良すぎる気がするので、鳥や小動物を相手にするならスリングショットのほうが魅力的だ。装薬銃は爆音が出るのも気に入らない。しかし受験の手間は同じだし、小説取材にもなるからいっしょに取得してしまえ、と思ったわけだった。

 手続きの諸々は、都道府県ごとにある猟友会の事務所に問い合わせれば、すべてわかる。
 狩猟免許試験は独学で受けてもいいが、地元猟友会の主催する講習会を受けるのが普通だ。無線従事者試験を受けたときは独学ですませたが、狩猟免許は実技試験の内容がわからなかったので講習会を受けた。

 会場、三重県総合文化センターセミナー室に行ってみると、大体こんな感じの客層で、50~60代の男性が多いようだ。
「若者の狩猟離れ」というやつだろうか。20代もいたと思うし、女性も一人か二人いたのだが。
 175ページの問題集と、数枚の資料をもらう。申し込み時点で教本『狩猟読本』ももらえる。この「数枚の資料」がポイントで、試験対策が身も蓋もない感じにまとめてある。問題は例年ほとんど固定しているので、こんな対策が取れるわけだ。知識試験はこれで万全な感じである。
 ほかに適性試験と技能試験がある。適性試験は視力、聴力、運動能力を調べるもの。普通にやればよさそうだ。
 技能試験だが、種別共通で狩猟鳥獣の識別問題がある。鳥獣の絵を見せて、狩猟対象なら「獲れます。カルガモ」、非狩猟鳥獣なら「獲れません」などと答える。下記動画が参考になる。

 識別問題は比較的難関だそうで、受講者たちも「こりゃあ大変だ」というムードになったが、私はすでにスリングショット猟で鳥類の識別を会得していたので、簡単にクリアできると思う。

 これはわな猟の技能試験の講習で、禁止猟具が混じった中から法定猟具だけを選び取る。これも罠の仕組みを知ってしまえば簡単だ。

 これは箱罠のミニチュアで、正しくセットアップできればOKだ。これも憶えてしまえば簡単だが、手前に狩猟者のプレートを置くのを忘れそうで怖い。

 これは猟銃取り扱い技能の講習。試験では元折れ式の水平二連銃を使うという。この銃を使ってマンツーマンの面接で「銃の分解」「射撃姿勢」「保持方法」「銃器の受け渡し」「休憩時の銃器の取り扱い」「空気銃の取り扱い」を実演する。
 射撃姿勢の場合だと、まず銃を手に取り、薬室を見て「実包なし」と唱える。模擬弾を装填し、壁の鳥獣の絵に向かって「矢先よし」、銃を構えて「(鳥獣名)を撃ちます」と唱えて安全子解除、発砲する。チェックポイントは、銃口を下げて扱う、発砲直前まで引き金に指を入れない、水平射撃をしない、照準は両目、肩付けと頬付けをしっかり、等々。壁の絵は3枚あって、目の高さに貼ってあるのは「水平射撃」と見なされるので減点。高い位置に貼ってある2枚のうち非狩猟鳥獣を選ぶと減点である。
 発砲が終わると銃を開いて脱包し「実包なし」、さらに狩猟現場から自宅に戻った想定で、もう一度「実包なし」と唱えて銃をテーブルに戻す。とにかく「実包なし」をくどいほど繰り返す。余分に唱えるぶんには減点にならないので、一挙動ごとに「実包なし」と言ってもいいそうだ。なんとなく、下記動画を連想する。



 銃器取り扱い技能は結構難関だそうで、私も自信がない。講師によると、あがっている人は顔が青ざめているのですぐわかるそうで、中には混乱したあげく、銃を膝に当てて鯖折りしようとした人もいるという。
「十日後の試験まで実銃に触るチャンスはないので、みっちりいじり倒してください。そして家に帰ったら、イメージトレーニングを積んでください」と言われた。
 もちろん私は面白がって、時間が許す限りいじり倒した。自宅での練習用にモデルガンが欲しいところである。