野尻抱介blog

尻Pこと野尻抱介のblogです

釣ったウナギを鰻丼にしていただいた



 前回のエントリの翌日、同じ場所で3匹釣って1匹リリースして、風呂場のウナギは4匹になった。
 こんな調子で毎日ウナギを追加していたら、バスタブはふさがったままである。今日は食べることにしよう。

 2x4材をまな板にして、千枚通しで目打ちする。さばく前に40分ほど冷凍庫に入れて仮死状態にするとよい、とWebにあったのでその通りにしたのだが、このウナギは途中で息を吹き返し、激しく身悶えし始めた。
 発見だったのはウナギは首尾線を軸として、つまり雑巾を絞るような動きができることだ。左側面が上を向くように目打ちしたのだが、体はあらぬ向きに捻れていて、非常にやりにくかった。

 ノコギリを使ったのかと言われそうな恥ずかしい写真だが、さらしてしまおう。どうにか背開きにして背骨を取り出し、頭を落としたところだ。
 さばき始めればすぐにおとなしくなると思ったのだが、片身を削いでも内臓を取りだしても、首を切断してさえ、ウナギはしばらく口をぱくぱく動かし、胸びれを動かしていた。

 続いて串を打つ。串打ち三年と言われるとおり、これも難しかった。皮と身の間に挿すこと自体はさほど難しくないのだが、身が固くて串がなかなか通らない。強く押さえると身が潰れそうになる。

 七輪に火を熾して、白焼き開始。ウナギの頭部、首まわりの肉は非常に美味しいので、これもいっしょに焼く。
 さばいた時点では肉も貧相で絶望しかけていたのだが、焼くと縮むどころがふっくらしてくる。

 たれをつけて蒲焼きにする。たれの糖分で焦げ目がつきやすくなるのだが、七輪の火にむらがあるせいか、白っぽいところが残りがちだ。

 失敗だらけのボロボロな出来映えだが、ともかく鰻丼ができあがった。
 食べてみると、絶品!……とまでは言えないが充分うまい。ちゃんと鰻丼の味になっていた。苦心の甲斐あったというものだ。
 このウナギは昨日釣ったもので、16時間しか泥吐きをしていないが、特に臭みはなかった。泥抜きの時間はウナギの棲んでいた水質による。泥抜きがあまり長くなると、身が痩せるので、必要最小限にしたいところだ。

 肝、背骨は油で揚げて、軽く塩をふっていただいた。酒のアテに最高だ。
 というわけでウナギは有毒な血液以外、捨てるところがほとんどない。どこを食べても美味しい魚だ。血液も加熱調理すれば無害になる。

 こんな魚が車で5分のところで釣れるとは嬉しいことだが、乱獲がたたってニホンウナギ絶滅危惧種に指定されてしまった。これについては三重大、勝川俊雄先生のblogを参照のこと>ウナギの乱食にブレーキをかけられるのは誰か?
 かつてはたまのご馳走であったウナギが、コンビニやスーパー、吉野屋で売られていることは問題で、漁獲量を規制して持続可能にすべき、というのが勝川先生の意見だ。