野尻抱介blog

尻Pこと野尻抱介のblogです

カラスを狩って食べてみた

 これまではてなダイアリーを使っていたのだが、ブロマガを試してみることにした。



補足:スリングショット猟の意義と法律解釈

 上の動画をUPした数日後、川辺の木にとまっていたハシボソガラスをスリングショットで仕留めた。カラスは地面に落ちたが、そこで息を吹き返した。数メートルのジャンプ飛行と歩行はできる様子で、すぐには渡れない中洲に飛び移ってしまった。手負いのまま生きている、半矢という状態である。半矢はよくないことなので、止め(とどめ)を刺さなくてはならない。

 もう一羽が後を追うようにして中洲に着地した。つがいらしい。カラスは一夫一婦で繁殖する。
 と、そこへ別のカラスが数羽舞い降りて、半矢のカラスを攻撃し始めた。集団で袋叩きにしている。この様子をお見せしたかったのだが、双眼鏡で夢中になって観察していたので、動画も静止画も撮り忘れてしまった。
 後で調べてみたところでは、共食い行動らしい。カラスは弱った仲間を攻撃して食べてしまうのだ。撃った私を棚に上げていうなら、残酷な行動である。しかして、合理的だ。
 野生世界とはこういうものだ。鳥類の多くが見せる夫婦の協調行動や育児行動のかいがいしさは胸を打つが、共食い行動との間に美醜の差はない。このような習性を持ったからこそ、カラスは今ある形で種を維持している。それ以上でも以下でもない。

 私は車からウェーダーを持ってきて、中洲に渡った。群れは飛び去り、半矢のカラスだけが残った。10mくらいまで近づいて止め撃ちをして、カラスを回収した。
 まだ心臓が動いていたので、頸動脈を切って血抜きした。腸も抜き取った。

 家に持ち帰り、台所でクリーニングにとりかかった。
 Wikipediaによれば、カラスは食肉として問題ないらしい。『山賊ダイアリー』にも食べた記述があるので、試してみることにした。この時点で私は20羽ほどの野鳥を獲って食べているので、およその見当はついた。たいていの狩猟鳥はおいしく食べられる。

 カラスの羽根で黒いのは外側だけで、内側は白い。水鳥のようなダウンは少なく、フェザーばかりである。

 あらかた羽根をむしると、こんな哀れな格好になる。仲間につつかれた傷もあって痛々しい。

 左の四つはカラスの手羽-胸肉、腿肉。右の二つはいっしょにさばいたムクドリ

 カラスを食べるのは初めてなので、シンプルに塩と胡椒をふりかけ網で焼いてみた。
 あまり美味しそうに見えないが、腿肉と手羽の肉は美味しかった。鶏肉のそれと大差なく、肉は硬いが味が濃い。
 胸肉はわずかに生臭みがあったが、レバーだと思えば充分いける味だった。フランス料理でも使われるというが、牛乳やハーブで臭みをとればいい食材になりそうである。ついでに言うと、ムクドリの肉は生臭みが強くて、全部食べるのに苦労した。

 カラスは嫌われ者だが、私は鳥の中でいちばん好きかもしれない。賢くて、機敏で、かっこいいからだ。
 頭部とガラを煮て、骨を取り出してみた。骨になってもハンサムである。ポリデントとキッチンハイターで漂白したが、くちばしの黒さは残っている。大脳はとても大きく、キャラメル2個ぶんぐらいありそうな感じだった。